ねいぴあの雑記帳

ドミニオンとか将棋とかミステリとか脈絡のない雑記帳

アマ名人戦振り返り(その1)

アマ名人戦から帰青しました。

 

結果は冴えないもので、読みの精度や量、早さ、すべてにおいて他の選手よりも劣っていると痛感した大会でした。将棋に向き合う時間をもっと増やさないと、このままでは下降線をたどる一方だとは自覚していますが、正直なところ、帰ってきた今の段階では壁の高さを改めて肌で感じてモチベーションがそこまで上がらないわけで。

とりあえず、10月の赤旗、朝日の県予選終わった後に今後の身の振り方についてゆっくり考えることとします。

 

さて、以下は指してきた将棋の振り返り。

 

○予選1回戦

 

予選リーグは京都代表のU氏(元奨励会)、長崎代表のI氏(立命OB)、東京代表のK氏(元学生名人)と同じブロック。厳しいあたりであることは否めないですが、全国大会の予選はどこの組に入ってもこんな感じですね。

 

予選1回戦は京都のU氏と。

 

こちら先手でU氏の横歩取り8四飛に勇気流じゃない方の6八玉型を選択し下図。

 

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ここで☗3七銀が形勢を損ねた1手。無難に☗2七歩と謝って、☗4六歩~☗4七銀☗3七桂☗3八金を目指せば一局だったように思います。

本譜は☖3四銀☗2七歩☖1五歩☗同歩☖4五桂☗4六銀☖1八歩☗同香☖1九角☗5八飛☖2六歩と進行。

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手筋の端を絡めた攻めで飛車先突破が受からず、苦戦に見えますがここから☗3五歩☖2三銀☗4五銀☖2七歩成☗2五歩☖同飛に☗4四桂が予定していた切り返し。☖同歩に1六角の間接王手飛車があるのでこの筋は成立しないと思っていましたが、☗1六角に☖2六とがあるのをうっかり。

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ここで☗3六銀は☖2四歩☗2五銀に☖同歩と角ではなく銀をとられて駄目。☗2五角☖同との進行では後手だけ桂馬を手持ちにしてなおかつと金も残っているので結構差が付いていますね。

☗3七銀とする直前で☗1六角打つ変化までは想定していましたが、そもそもこんな危ない橋渡らずに無難な順を選んでおくべきでした。

 

少し進み、下図。

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ここでは☗8五飛で頑張れるかなと思っていました。☖7二銀には☗3五飛☖3四歩☗2五飛☖2四歩が想定される進行ですが、と金を消し、歩切れにさせているので苦しいながらも頑張れそう。

本譜は☖4五と。これには同銀で、☖同歩なら☗8一飛成で4四のスペースが空くので後手も嫌かなと。☖8四歩☗同飛☖8三歩☗同飛成☖7二銀☗8四竜☖4五歩なら☗2四歩。

どちらになるかなと思っていたら、☖9三桂!!

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これは痛い。

以下☗8一飛成☖4五歩☗9一竜☖8二銀打☗9二竜☖4六歩に☗8四香と最後の勝負手を放ちますが、☖8一歩が冷静な好手。

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代えて☖7四角ならまだ頑張れそうでしたが、ここで観念しました。以下は順当に押し切られて負け。

 

序盤の不用意を咎められ、そのまま逆転を許さず押し切られるという、完敗という語がふさわしい敗戦でした。

 

○予選2回戦。

 

本大会は2連敗の選手には宿泊権が与えられず、よってこの対局に負けると疲れた体をひきずりながら4時間半かけて自宅まで戻るか、自腹でホテルを探すかというどちらを選んでも味の悪い結果になります(笑)

 

対戦相手は長崎のI氏。東北六県大会でも試みたあの作戦をぶつけて下図。

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突っ張った指し手を続けてこうなったわけですが、この局面の成否は後程。

以下、☖8八角成☗同銀☖6二飛☗6八玉☖6五歩☗7七銀☖6四角と進行。

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この角のラインを生かした攻めを受け切れるかが勝負所。☗3七角☖同角成☗同桂☖6四角☗3八金☖3六歩☗4五桂☖3七歩成と進みましたが・・・☗1五角!!

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うっかりしていたそうで、以下はいくばくもなくこちらの勝ちに。

ちなみに、☖3七歩成に代えて☖2八角成も☗1五角と4八に効かせる手があります。

 

さて、話は戻って本譜2度目の☖6四角のところでは、実は☖5四銀と退却する手があります。

 

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次の☖3六歩が異様に受けにくい。☗2六飛は☖3六歩☗同飛☖2七角があります。なので、こう進んだら非を認めて☗1八角と打つ予定でしたが、これでは冴えないですよね。

実はこの筋、後手が☖6二飛☖6五歩の2手が無くてもあって、その場合はこちらの玉の位置が5九なのでさきほどの☖2七角がないのですが、その代わり☗2六飛には☖1五角☗3六飛☖4五銀で駄目。

ということは、最初の☗3四歩とした局面がやや苦しいという結論になります。(☖8八角成☗同銀に☖5五角とすれば上記の順になる)

どこかで☗5六歩か☗6九玉とかで1手溜めるのが正解でしたかね。ここ最近使っている指し方なので、実戦も研究も不足しているのが結果に表れなかったのは幸運でした。

 

これで1勝1敗。次戦は予選抜けを懸けた対局です。

 

(続く) 

 

ドミニオン新拡張:「Nocturne」発表

Twitter上や他のドミニオンブログでもすでに情報が出ておりますが。

 

http://riograndegames.com/Game/1328-Dominion-Nocturne

 

帝国に次ぐ、11番目の拡張セットの発表です。直訳すると「夜想曲」ですか。

以下はRio Grande Gamesの上記HPからの引用です。

This is the 11th expansion to Dominion. It has 500 cards, with 33 new Kingdom cards. There are Night cards, which are played after the Buy phase; Heirlooms that replace starting Coppers; Fate and Doom cards that give out Boons and Hexes; and a variety of extra cards that other cards can provide.(引用終わり)

 

  • 33種の王国カード
  • 購入フェイズ後に使用するNightカード
  • ゲーム開始時に銅貨と置換されるHeirloom(家宝)
  • BoonとHexをもたらすFate/Doomカード
  • さまざまな特別なカード―――他のカードを供給する

 

重要な情報としてはこんなところですか。(英語力低いので、間違ってたらすいません)

 

10/18に発売で、例年のごとくカードプレビューも発表になるとの事。冒険や帝国発売前夜の盛り上がりがまた見れそうですね。

 

ここまでは、他の方々のブログでもわかる内容になってますので、ここから先は新拡張発表に伴い、個人的な思いをつらつらと。

 

ドミニオンの拡張セットは、新拡張が発表になるに伴い、新しい概念がその都度追加され、ドミニオンというゲームの枠が変容しているイメージです。

  • 陰謀:大広間や貴族といった複合タイプを持つカード
  • 海辺:トークンやマット、持続カード
  • 錬金術ポーションという新たなコスト
  • 繁栄:プラチナと植民地、勝利トーク
  • 収穫祭:サプライ外からのカードの供給(これは闇市場ですでに表現済みだが)
  • 異郷:獲得地効果
  • 暗黒時代:廃棄時効果、避難所、廃墟
  • ギルド:コイントークン、過払い効果
  • 冒険:リザーブカード、トラベラーカード、イベント
  • 帝国:ランドマーク、負債、スプリッド

ざっと思いつく限りだと上記のような感じ。そして、当たり前ですが拡張規模が大きければ大きいほど、それに比例してゲームの枠組みも大きく変容しているように感じます。

個人的にそれを感じたのは暗黒時代と冒険、帝国。

暗黒時代はそれまでの拡張で最多の35種類の新規王国カード群を保有。この拡張で出てきた廃棄時効果はなんというか、王国カードの組み合わせで「できること」があまりに多くなりゲームの複雑さ・インタラクションの多様さがいきつくところまで到達した感じがします。

だからというわけではないでしょうが、冒険では「イベント」という王国カード以外の考え方が登場し、新規王国カード最多の36種類を誇る帝国では、ついには得点計算に大きくかかわる「ランドマーク」が発表されました。

 

自分がドミニオンをやり始めた時は、基本・陰謀しかなかったため、そのときのことを思うと隔世の感がありますね。

 

さて、今回の新拡張では33種類の王国カードということで、これは現在発表になっているなかでは3番目の規模の大きさ。そして、すでに発表になっている情報を見るに、どうやらまたゲームの枠組みが大きく変わる予感がします。

冒険や帝国、基本陰謀2ndの考察全然深まっていない現状なので、期待と不安が入り乱れていますが、とりあえずは約2か月後の全容発表を楽しみにしたいと思います。

 

・・・ところで、Stefドミにはすぐ実装になるのでしょうか。なるにしても、日本語訳終わるまでは日本語・英語表記混じった対応になるのでしょうか。

 

東北六県将棋大会振り返り(その6)

盤上以外で感じたことを箇条書きで振り返り。基本的には愚痴多めです。

 

  • 今大会は全選手の携帯を預けることに。預け先は自分の県の監督なのですが、できれば大会本部で一括預かりしてほしかった。万が一の紛失とかあったときにとても揉めそうなので、ルール発案した側が責任もって預かってほしかった。
  • 大会自体は公開されていて、観戦者も結構な人数いたのですが、対局中に間近で観戦者の携帯が鳴ったのは頂けない。1回ならマナモードの設定忘れ、電源の切り忘れなどなどあるのでまぁ、仕方ないです。が、その人、一度鳴った電話に出て、観戦に戻って数分後にもう一度携帯鳴ってましたからね。観戦者を排除しろというわけではないですが、最低限のマナーは守ってほしい。
  • 他県の代表選考、並び順の基準を明文化してほしい。主催紙の推薦ならそれはそれでいいので。誰が自分のポジションにきても勝てばいいだけではあるのですが、後出しで決められている感じがして、もにゃっとした感情を抱いたこともあったので。
  • 大会会場のホテルは恐らく秋田市内でも相当グレードの高いホテルだったように思います。加えて、各紙とも大きい規模で大会の事を報道していただき、参加者として深く感謝しています。これからもよろしくお願い致します。
  • 大会終了後は秋田市内の居酒屋で打ち上げ。テーブルに将棋盤を広げ、各々指した将棋を肴に瞬く間に時間が過ぎて行きました。負けて辛い事も多いですが、こういう機会があると、将棋続けていてよかったと再確認。今後も、姿勢はその時々で変わるかもしれませんが、この世界に携わっていきたいと思います。

 

筆不精で間が開きましたが、なんとか7月中に書きたいことは書き終わりました。六県大会の振り返りはこれでおしまい。

次は青函交流大会のことを書くかも。

 

東北六県将棋大会振り返り(その5)

4回戦を終え、自分の弱さに打ちひしがれていましたが、昼食休憩があったのは幸いでした。正直こっそり青森に逃げ帰ろうかとも考えていたのですが、1時間弱あった休憩を使ってなんとか気持ちを立て直し、最終戦の条件を確認して、前向きな気持ちで盤の前に座ることができました。

 

終戦の相手は宮城県。大学の後輩2名が大将・副将に座り、先鋒には学生名人準優勝の棋歴を持ち、最近首都圏から地元宮城にカムバックしてきた若きエース。かなり若いチームです。

 

さて、最終戦の条件ですが、まず優勝はここまで土つかずの岩手県で確定。狙える最高順位は2位。その2位争いは、

青森:チーム2勝 個人勝ち点合計5

秋田:チーム2勝 個人勝ち点合計6

宮城:チーム3勝 個人勝ち点合計7

の3チーム。順位決定方法は①チームの勝数②個人勝ち点の合計③チームの直接対決の結果の順で決定されます。

つまり最終戦の条件は・・・

  • 青森負け・・・4位以下。入賞圏外。
  • 青森が2-1で勝ち・・・宮城に3勝で並ぶが個人勝ち点は上回れず。秋田が最終戦勝てば秋田にも個人勝ち点負けるため4位。秋田負けなら3位。
  • 青森が3-0で勝ち・・・宮城を上回るため3位以上確定。秋田が2-1以上した場合、直接対決で負けている為3位。秋田負けなら2位。

他力ですが2位の条件はあるのでそこを目指して(つまりは3-0目指して)頑張ろうとチーム内で共有。ここまでチームの足を引っ張るような成績でしたが、最終戦に貢献の機会がまだある、ということを確認できたのが立ち直ったきっかけになったような気がします。

 

5回戦:対宮城県

 

お相手は大学の後輩であり、現役の大学3年生のA氏。現状の大学将棋部内ではエースポジションにいるわけで、正直一番脂の乗った時期の部内エースと、下降線をたどり始めたアラサー県代表では客観的に見て前者有利と思っていました。とはいえ、チーム事情もあり、かつ、後輩に情けない姿は見せられないと思い盤の前へ。

先手を引き当て、1・2局目でも試みた早繰銀を志向するも、下図から☖6二銀☗7八金☖4四歩からA氏の陽動振り飛車に。

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こちらがミレニアム、A氏がダイヤモンド美濃に組み駒組みの飽和点を迎えた下図。☗8六歩と☖5四歩の交換を入れたところ。こちらが手損なしで組めているのに対して、A氏は陽動振り飛車の宿命で3手損(7二の銀は6三から引き、4二の飛車は2二から展開)のため、作戦勝ちを感じていました。

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ただ、それは上図から先攻できればの話。黙っていれば☖5五歩があります。なにはともあれ☗2四歩☖同歩☗3五歩。☖3五同歩には雑に☗同角としてしまってよさそう。☖3六歩には☗3四歩☖2二角☗2四角としてなんとかなりそうですかね。☖3五同歩に☗同角に代えて☗2六飛でも不満無しだと思います。

本譜は☗3五歩に☖4四飛。以下、☗2六飛☖3五歩☗同角☖3四飛☗3六飛で下図。

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 仕掛け直前に☖5四歩を突かせた意図がこの局面を想定したもの。次に☗7一角成があります。それを避けて☖8三玉もあるかなと思いましたが、☗4五桂☖2二角☗2三歩とし、続けて☗3七歩~☗5七角の予定。

本譜は☖4四角の決戦策。☗同角☖3六飛☗4五桂☖3八飛成☗5三桂成☖4三歩☗5二成桂☖4四歩☗6一成桂☖同銀と進行。

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守備金2枚を剥ぎ取り好調ですが、ここで次の手は選択肢広く難しい。筋は☗6五歩かなと思いましたが、諸刃の剣。☗5三金☖7二銀引☗7五歩も7六のスペース空くので同様。事前に考えていた2択が潰れどうしようかと思っていたのですが、☗4三角☖7二銀上☗6二金を発見して安堵。

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☖3九飛☗6八金引に、A氏の予定は☖3五角とのことで、☗6七金打と使うようでは変調ですが、☗6三金☖同銀☗6一角成で寄り。

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この変化を読み切れたのが幸いでした。本譜は☖3五角に代えて☖3一竜。以下☗5三金☖3三飛成☗3四歩と進み、自陣に全く怖い所がなくなり勝勢。このあとは寄せをぐだって長引きましたが押し切ることができました。

 

負けた前2局が悲惨な内容で、気持ちが折れかかりましたが最後は自分らしい直線的な内容で勝つことができてホッとしました。

ちなみに、チームは2-1勝ち。秋田が福島に負けたことにより3位滑りこみ。なんとか入賞圏内を確保しました。

 

個人成績は2-3で5位。決して満足できる成績ではなく、また、自分の弱いところが浮き彫りになった大会でした。もし、次の機会が与えられるのならば、今回の経験を糧にして修練して臨みたいと思います。

 

盤上の話はこれでおしまいですが、振り返り記事はもうちょっとだけ続きます。

 

(続く)

東北六県将棋大会振り返り(その4)

3回戦で個人もチームも負け、迎える4回戦は山形県。大将に数々の県代表歴を誇る大エースを据え、副将・先鋒にはそれぞれ中堅・ベテランを配置しているチームです。今大会は平均年齢が低いチームが多いなか(青森も若いと思っていたら平均28歳で上から3番目)、伝統的なチーム編成です。

前局での悪い流れを引きずらないように、長めに休憩入れたかったのですが、長引いたのもあってインターバルは10分弱。せわしくなくタバコ吸って着座したのはいいのですが、頭の片隅に前局での悔いが残る局面が浮かんできて、あまりまともな精神状態ではなかった記憶があります。

 

4回戦:対山形県

 

4回戦に負けてしまうと上位入賞どころか最下位争いに転落してしまいます。事前予想では先鋒・副将は青森が若干歩が良さそうと踏んでいたので、自分の所で勝ってチーム優位に立てれば・・・と考えていました。お相手はY氏。キング・オブ・山形といえば東北では通じる棋歴の持ち主。過去の対局は無く、初手合です。

 

・・・正直、この対局はあまり振り返りたくない。2週間近くたって改めて並べ返したのですが、自分の思考が病気すぎて気持ち悪くなりました。

 

まぁ、反省文の意味も込めて振り返り書いてますので、そんな内容でも書きます。そういうわけで、ここから先お読みになる方はは自己責任で。筋悪が感染したとか言われても責任はとりません。

 

 

 

 

Y氏のレグスペ気味の立ち上がりから迎えた下図。※先後反転しています

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後手番だし、千日手でもいいと思って図のような陣立て。たぶん先手のY氏から動くのは☗8六歩しかないですよね?それに対して①☖同歩からの飛車交換②☖7九角から☖8六歩の2択のどちらかで対応すればいいやと考えていました。

というわけで、上図では形を崩さず待ちたい。ちらっと☖4五角なんてのも考えましたが、どっかで☗6六歩とされ☖5四銀と引いた形は角が狭すぎて無理。今考えると☖1二香くらいですか。本譜は☖4五歩。なにかのときに☖4六歩を見せた手待ちでしたが、そのタイミングで☗8六歩。

なんというか、☖4五歩自体は悪い手ではないと思うんですよ、たぶん。ただ、対局中は、戦いになったら1一~9九のラインに角を打たれて☗7五歩があることを過剰に悲観してしまい、☖4五歩に悪手認定しているんですよね。悲観しすぎ、楽観し過ぎは不治の病なのでしょうか。いっつもこれで痛い目みている気がします。

さて、☗8六歩の決戦策には上記②の☖7九角のコースを選択。以下一直線で下図。

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Y氏が7九の飛車を逃げたところです。ここ、第一感は☖5四銀。振り飛車の指し手が難しくないですか?と積極的な棋風のY氏に問いかけて、動きに合わせてカウンターを狙う意図。だまっていれば☖6五歩~☖6六歩のと金作りです。有利不利は断言できませんが、少なくとも方針はわかりやすい局面になったと思います。

しかしですよ、対局中の頭の中は先程の「ラインに角打って☗7五歩」がちらついているわけですよ。恥ずかしながら、☖5四銀には☗6六角を恐れてしまって断念。しかし、感想戦でも指摘されましたが、☗6六角には☖5五銀打でなんでもないです。(下図)

これが見えないのはヤバイ。

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すべては☖4五歩に☗8六歩とされたときに悲観していたのを引きずっているせいで。そもそも対局前に前局のことをひきずっていてフラットな状態で対局に臨めていなかったせいでもあります。悲観しすぎ、楽観しすぎも含めて精神的な弱さはいい加減克服しないと。

 

さて、本譜は☖5四銀ではなく☖7七竜。以下☗8二歩に☖8六竜と辛抱して数手進んで迎えた下図。

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今、Y氏が持ち駒の銀を☗4五銀と打った局面。悲観し、辛抱に辛抱を重ねた上図でもしかして難しくなったのでは?と感じていました。実際の所、Y氏はずっと微差で悪いと思っていたようです。こちらは仕掛けられた局面からずっと悲観しているのですが、冷静に今振り返ると形勢判断はY氏の方が正確でしたね。

ここでの指し手は☖2三角。あんまり見ない角冠です。以下、☗3四角☖4四歩☗2三角成☖同金☗5六銀で下図。

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ここは当然☖同銀☗同歩☖4五歩とするべきところ。ただ、例の「ラインに角打って・・・」の思考の残像があったのと、離れ駒があるのは怖いってのと、どうせ黙っていても☗6五銀としてくるので、竜の横利き通せるかなってのと、☖4五歩~☖4六歩は☗同歩~☗4五歩で、冬眠していた相手の飛車を使われるのが嫌っていう理由で本譜は☖7八金。後者2つの理由付けはいいとしても、前者2つの理由付けはまあひどい。

ラインが空くのが怖い、離れ駒があるのは怖い、悲観していた時間が長かったからか、「怖い」という感情に支配されていて、読みの裏付けや、理論の裏付けがないまま第一感の手を指せない。

本局は精神的な脆さが如実に表れた一局だったのですが、一番の反省点は上記の太字部分ですね。☖7八金自体は、手としては立派な手だと思います。ただし、そこに至る思考内容がお話にならない。今後、上を目指してやっていく以上、上記のような考え方は排していかなければならないと思っています。

本譜、☖7八金☗6五銀☖同歩☗6四角☖4五歩☗7四歩☖8四竜☗7三角成と進み下の局面。

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 妥当な進行は☖8七竜(☗5五馬☖6六銀打)☗9一馬☖7八竜くらいですかね。次に☖3六桂とやる感じで。ここは、いまから思うと何を考えていたのかわからないのですが、なぜか選択肢は☖同竜。上記進行の☖7八竜は対局中見えておらず、☖4六歩とすると☗同歩で歩を伸ばされて・・・えーっと代わりの手がわからない・・・というような感じで半ばパニックになっていたことだけは覚えています。それにしても、パニックになった挙句1秒も考えていない☖同竜とするあたり気が狂っていますね。

当然のごとく☗同歩成とされてできたと金が厳しすぎて以下は負け。

 

・・・いやー、改めて文章にすると、終始発狂していたって感じですね。感想戦でも多方面からボコボコにされ「俺病気じゃないか」と呆然としていましたが、その一段上ですね。気が狂っていたとしか思えない判断・思考の数々。

 

全5回戦で自身は3敗目のため、個人成績負け越しが決まってしまったわけですが、チームはなんとか勝ち。仲間に救われました。

次戦の最終戦で入賞を目指します。

 

 (続く)

 

東北六県将棋大会振り返り(その3)

1日目終了後は恒例の懇親会。東北各県の地酒が集まり、翌日に影響が出ない程度に楽しみました。

過去には楽しみ過ぎて廊下で寝てた人もいたそうですが・・・ 最近の六県大会は平均年齢がさがったのもあってか、そんな無茶な飲み方するひとがいないですね。

 

用意されていた部屋も非常によかったのですが、緊張のせいか朝5時頃に目が覚めてそのまま寝付けなかったのは残念。大会前日ってなんでこうなんでしょうね。

 

美味しい朝食バイキングを頂き、いざ三回戦。三回戦は朝八時開始と非常に早い時間帯。始業時間よりも早い。もしも次の出場機会を与えられたら、そこらへんも要調整ですね。

 

三回戦:対秋田県

 

秋田県チームは大将・先鋒に2枚エースを据え、副将に大ベテランを配置。毎回秋田のエースお二方には青森県は苦しめられているイメージがあります。

 

自分のお相手は2枚エースのお一人、S氏。年季の入った四間飛車党ですので、対戦するときは最近本にもなった銀冠穴熊を試してみる予定でした。

 序盤でミスって迎えた下図。※先後反転しています

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☗6六銀と引かれたら、相当大変だったように思います。玉は固いですが、抑え込まれる未来がちらついているので、どう暴れるかの勝負ですが、前に進んでいる駒が少ないのがネック。

本譜は☗6四歩。以下☖5五歩☗6三歩成☖6六角と進み、☗5三歩には☖5四飛があるのをS氏はうっかりしたとのこと。そこで☗6四歩ですが、☖5六歩☗同飛☖7七角成☗5一飛成☖9九馬☗5四歩☖4四馬と進行すると、最初の図からガラッと景色が変わります。

 

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飛車は使えていないものの、銀桂香得。馬を要所にひきつけ玉も堅い。・・・今から思うと何でこの将棋がああなるんだろう。

図から☗5三歩成くらいですが、そこで☖1五歩なら問題なかったのですが、本譜は☖2五歩。☖1五歩と比べて2~3手くらい遅い・・・

以下、数手進んだ下図から☖6五銀と打つようでは完全におかしくしてますよね。

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 さらに進んで下図。

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 意地で☖8六歩と突き、飛車の活用を図ったところですが、ここから☗5三とに対して☖7七とは焦りすぎ。☖4一金とするべきところで、1手は確実に違います。

 ☖7七とから、☗4二と☖同金☗6三歩成に☖8九飛成もミス。☖2六歩を絡めて攻めることを考えると、この場合は2段目の方が厳しかったです。そして最大のやらかしが下図。

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当然ここは☖2六歩とするべきで、以下同歩に☖2五歩が見えていなかった好手。これならまだ難しかったかと思います。☖2五歩が見えてなくとも、まずは突くべきところで、どうして手が伸びないのか。

本譜は☖6一香としてしまい、S氏の指し手は必殺の☗2四桂!!

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☗2四桂は見えてなかったし、そもそも☖6一香は将棋の手ではなかった。

この後は綺麗に寄せられて負け。

☖4四馬とした図からのミスの多さには吐き気がします。今あの図を見返しても、あそこから負ける県代表がいますかねぇ・・・

 

チームも1-2で負け。完全なやらかし。負けの事実と、自分の弱さに打ちひしがれている間もなく4回戦が始まろうとしていました。

 

(続く)

 

 

東北六県将棋大会振り返り(その2)

初戦、0-3スタートと最悪の出だしだった青森県チーム。岩手を叩けなかった時点で、正直優勝は絶望的。しかし、上位入賞の為にも、代表を目指して惜しくも及ばなかった他の選手たちの為にも、適当な将棋を指すわけにはいかない。気持ちが折れそうになりましたが、なんとか立て直して迎えた2回戦。お相手は福島県

 

2回戦:対福島県

 

福島のチーム編成は先鋒に若手エースの大学生、副将が大学の後輩で、出身の福島に戻ってからは県大会優勝を複数回果たした成長株。この2人は将棋の内容はある程度把握していたのですが、大将のH氏は面識がなく、戦型選択が読めなかったです。

しかたがないので、図書館に通い福島の地方紙の将棋欄を読み漁り、どんな将棋を指すか下調べしました。自分が目にした将棋の印象では「対抗形党」。ただ、相居飛車の将棋もあるにはあった(H氏の対戦相手の自戦記の文中で意外な将棋になったと言及があった)ので、薄い確率で相居飛車もありえるかなと考えていました。

果たしてどうなったかというと・・・

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岩手戦で指したかった戦型に。その1で触れた「極限」早繰銀ってこれのことです。名人戦第3局でも出てきましたね。

 

以下、紆余曲折を経て下図。

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壁銀にさせてポイントを挙げているのは対局中実感していたものの、具体的な手順が思い浮かばず、焦りを感じていました。あと、玉が薄いのと、歩越の銀2枚の活用法の目途が立っていないのもマイナスポイント。じっと☖5二金とか指されていたらホントに焦ったと今振り返って思います。

実戦は☖9五歩☗同歩☖9七歩☗同香☖8五銀と動いてきたのですが、☗7四歩が切り返し。一歩で一手稼いで☗9四歩☖8六歩に☗9三歩成が入り優勢を意識。

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以下☖8四飛☗8六歩☖9六歩☗同香☖8六飛に☗9七歩という珍しい受け方がでて、あとは後手の飛車を目標に左辺で戦えば壁銀の分自然に勝てるなと思っていたのですが・・・

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数手進んで下図。9二とから香車を取りに行っている(8三ととすれば一手で取れる)のは、と金を置いておいた方が飛車をいじめやすいという思想からです。

 

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 しかし、それなら当然☗7五銀としそうなものですがね。☖同角から暴れてこられるのを恐れたのですが、流石に受け止められるでしょう。実戦は☗3七桂。次の☗4五桂の味に惚れ込んだのですが、方針からそれるとたいてい良くないことが起こります。

当然の☖5五歩!!

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 ・・・もうね、絶句ですよ。いや、対局中は当然無言なのですが、心の中がですね。要はうっかりなのですが、あまりの酷さに思考が止まりました。

以下ちょっと進み下図。角を動かして5五香としたい。でも☗2二角成は壁銀を解消するので物凄く抵抗があります。ということである手を指したのですが、もうね、ホント対局しながら病気だと思いましたよ、以下の順は。

 

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ここから☗8二角成?☖7七歩☗6七金☖7八歩成☗5八玉???

 

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まず☗8二角成ってなに?5五からどかしたいのはわかるけど、そっぽに行く必要ないですよね?6六でいいですよね?

それはそれとして、もっとヤバいのが最後の☗5八玉。いや、取ろうよ。

8二の馬にヒモがついていないことに直前で気が付いて、取ると☖9七桂成から☖8四飛があることに気が付いて大パニックに。しかし、☖9七桂成☗7五銀☖同角☗同歩☖8四飛に☗8六香で受かってますよね。

なんで2つ前の図からこんなに自玉がピンチになりますかね?この記事書きながら泣きそうです。実際問題、逆転していたと思うのですが、この後にお相手のH氏にうっかりがありなんとか勝ち。

・・・いや、勝ったはいいものの、内容がヤバすぎる。片目が開いたのはいいのですが、2日目以降に大きな不安を残す対局でした。

チームは2-1で勝ち。なんとか踏みとどまった感じです。

 

1日目の対局はこれで終わり。全体の展開はやはり岩手が2勝。それも個人成績も3人とも全勝。大会史上初の15-0での完全優勝もちらついてきました。

 

(続く)