ねいぴあの雑記帳

ドミニオンとか将棋とかミステリとか脈絡のない雑記帳

2023.1.15 県王将戦

月も変わってしまいましたが、久々に大会の振り返り。

 

この1月:県王将と3月:有段者選手権・5月:県名人戦は通称県3大タイトルと呼ばれていて、1週目が予選会で8人を選抜、2週目が8人でトーナメントを行う伝統の大会です。

その昔は、2週目が主催者の新聞社本社ビルの普段使わない和室で行われたり、宿泊・前夜祭付きで行われたりしたこともあります。

 

ただまあ、冬の雪が厳しい時期に、開催市以外から二周連続足を運ぶのも大変なので、二週目残った開催市以外の選手には交通費補助出すとかを考える時期にきている気がします。

 

 

それはさておき、今回珍しく元奨三段のK氏が出ており、厳しい戦いになるのを覚悟していました。

他にも前年県名人のK氏、去年からよく当たってる2年前のこの大会覇者N氏と、厳しいメンツが。

 

〇準々決勝

 

お相手は弘前大のM氏。初対局ですが、何度か将棋を見る機会があり、弘大期待の新入生エースという印象。

 

M氏の三間飛車に先手番で急戦。下図はかなり前から勝ってる図かと思っていましたが・・・

 

ここから☖5六歩に☗2一飛車成りが読み筋で、こっちは詰まず適当な受けが振り飛車側にはないな、と思っていたら☖5七歩成☗同玉に☖5一飛車!!があることに気が付いて予定変更。

 

本譜は☗5六同金に☖1三角から飛車を取り合って進んだ図で勝ちだったのでなんとか耐え。

しかし☖5一飛車とは恐ろしい手が世の中にはあるものですね。

 

・・・ところで、一番最初の図、じっと☖5一飛車と引かれたら先手は何を指せばいいんでしょうね。

斬り合いの果てに迎えた図だったので、一手緩めるのは完全に盲点に入っていて、実は全然勝ちではなく激戦だったというオチでした。

 

〇準決勝

 

準々決勝の逆側の山では元奨三段のK氏と県名人のK氏の潰し合いが発生。

結果、県名人のK氏の方が勝ち、元奨三段のK氏が珍しくベスト8で敗退。準決勝より下でトーナメントから消えるのはもしかしたら初めての出来事かも。

 

こちらの準決勝のお相手はN氏。去年散々本ブログに登場しているプレイヤー。

お互いにまたかよと思ってそう。

 

後手番で対四間飛車に端歩突きあい型の穴熊を指向し下の局面に。

 

ありそうでなさそうな局面。

☖3二玉☗4四歩☖同金☗4五歩☖同金☗1一角成から下の図へ進行。

香損ではあるものの、指し手の方向性はわかりやすく難解な勝負なのかなという印象。

本譜はここから☗3三香☖同桂☗2二馬の2五桂打っての王手飛車の順に進みましたが、これは暴発で、労せずして良くなりそのままフィニッシュ。

☗6七飛車とかなら難解な戦いが続いたと思います。

 

正直、仕掛けのあたりは後手で端歩突き穴熊を目指すと避け方が無い局面のように思います。

となると、上の図の優劣は結構重要な気がするのですが、振り飛車からしても3二の銀の遊びが酷くてあんまり選ぶ気にならない局面なのでしょうか。

今後要検討の局面であるような気がします。

 

〇決勝戦

 

もう片方の準決勝ではベテランH氏がK氏を下し、昨年の県名人決勝のリベンジを成して決勝へコマを進めてきました。

出だしで書いた2人のK氏と、準決勝のN氏、最低2人は倒さないと優勝できない、くじ運悪ければ3人とも倒さないと・・・と始まる前は思っていましたが、結果一人しか当たらないちょっと意外な展開となりました。

とはいえ、H氏も還暦が近いとはいえ、コンスタントに活躍しており、なにより前週の予選会で負かされたり、これまでも痛いところで度々ねじ伏せられている厄介なお相手。

H氏の将棋は定石にとらわれない、早い段階での戦いを好むアグレッシブな棋風なので、後手番ということもあり、落ち着いた序盤の入りを意識して組みあがったのが下図。

 

恐れていた乱戦にはならなかったものの、この図はどうなんでしょう。

飛車先の歩が切れていることを評価するのか、先手の5筋の位が手厚いとみるのか。

互角の範疇なのでしょうが、このまま持久戦になると7七~5九~2六角の3手角から圧死しそうと判断し、☖7二飛車と7筋でも1歩交換をもくろみまました。

しかしながら、☗2五歩☖3三角☗7七角から・・・

こう進むようでは、厚みを存分に生かされているようで苦戦を意識。

☗8六角型にされる本譜の順が全く見えてませんでした。

 

ここから☖同歩☗同銀☖7三桂は乗りかかった船でしょうがない順。

☗6四銀でも嫌(以下、☖同銀☗同角☖6三金が一例も、金と飛車の配置がいびつ)でしたが本譜は☗6四歩!と凄まじい踏み込み。

銀2枚が手順にとれますが、将来の☗6八飛を狙いとしています。
以下、注文通りに進んだ下図が勝敗に影響する重大な局面でした。

 

ここでは☗6四歩☖6二金に、☗5四歩が軽手。☖同銀に☗6三銀からバラシて☗5五桂から一方的に攻められると、形勢自体は難しいながらもこちらの勝ちにくい展開だったように思います。

 

本譜はここで☗7五桂が方向違いで、☖6四金☗8三桂成☖7五金から・・・

こう進み、この☖5八銀が派手な決め手となり勝ちになりました。

 

 

なんか、トーナメントの展開といい、将棋の内容といい、こっちがめちゃくちゃ頑張ったというより、自然と都合いい展開が続いて優勝が転がり込んできた感じですが、なにはともあれ今年のタイトル戦線初戦を優勝で発進したのは好材料

 

六県大会の代表に内定しましたが、他の代表戦でも勝ち上がれるようにあと少なくとも半年弱は勉強して優勝回数を重ねたいところです。

 

またいい報告ができるよう頑張ります。