2022.7.3 アマ名人戦県予選
以前、県内三大タイトルのグランドスラム達成の記事を書いたことがありました。
実は、その時以来県代表決定戦で4回連続負け、GC対象棋戦に至っては6連続決勝負けという地獄のような時期を過ごしていました。
今年2022年に入ってからは決勝にすら進めず、5大会出て最高がベスト4に1回のみという体たらく。
そんな成績では当然六県大会に出ることもできず、連続出場が途切れると同時に、またしても地元開催で選手になれない悲しみを感じていました。
その代わり、というわけでもないですが、主催新聞社が違うからか、六県と同日に組まれていたこの大会に出ることに。
六県の選手だったり運営に有力選手のかなりの数が回っていて、いつもの大会に比べると少しメンバーが落ちるため、ここですら優勝できないのであればしばらく優勝はできないのだろうなと思いながら大会までの日を過ごしていました。
予選リーグは快勝2発で通過し、人数が少ないため本戦トーナメントは得くじ引いてベスト8からスタート。
その準々決勝も、お相手の無理を咎めて優位に立つも派手にやらかすんだよなぁ・・・
☗5六角を狙われているので、それの回避が求められる図なのですが、☖9九竜は王手竜のラインに入るのが気持ち悪いため、☖8四飛と飛車の方を逃げたら・・・
☗5三歩成!!
☗6二角の筋あるじゃねぇか!!!
完全なうっかり。
前の記事
でも取り上げていますが、こういうやらかしはホント無くしたい。
本譜は、腹くくって☖同金とし、☗6二角には☖5二金引☗8四角成に☖2五歩から寄せ合いに出るしかないと考えていましたが、そこで☗6三歩成でどうも一手負けコース。
と思ったら、お相手のS氏は☗6二角ではなく☗6三歩成だったため(とれば☗4五角がある)☖4四金でまだどうにか耐えてる展開に。
☗6二角が見えてなかったようで、なんとか命拾い。
・準決勝
準決勝のお相手はK氏。
予選リーグでも初戦で当たった大ベテランの方で、得意な展開にさせるとノータイムで手が急所に飛んできて非常に厄介。
そんなわけで、こちらが優位を取りに行くというよりかは、相手の力を出させない序盤進行がうまくいき、下図。
中央が薄くなったのを見て仕掛けます。
イメージは8一で眠ってる桂馬が5七まで成りこむとか、金駒と交換になれば成功。
☖4五歩☗同歩☖3九角☗5八飛☖7三桂。
途中、☖3九角は☗8四角を防いだ大事な手。
上図になれば全軍躍動の形になり、厳しい反撃筋がないのであとは切れない攻めを心がけるのが大事。
以下、☗6六角☖同角成☗同金☖4九角☗2八飛☖6五桂と、味のいい5七の地点の受け方が無く、これはつながったかなと。
ここからは、☗8四角☖6一飛☗5八銀☖同角成☗同飛☖6九銀から下図へ進行。事前の成功イメージ通りに進み5七の成桂が大きく、相当ひどい間違いをしない限りは押し切れそうな局面に。
この先は慎重になりすぎて簡単な決め手を逃して一瞬怪しくなりましたが、それまでのリードが大きすぎて完全な逆転には至らず押し切り勝ち。
珍しくイメージ通りの攻めが決まった一局。最初の図ですでに30秒将棋だったのですが、秒読みの中立てた方針の割には思いのほかうまくいきました。
・決勝
決勝のお相手はN氏。
前の記事
で2回登場したN氏と同じ人。
この大会で優勝するには最大の難敵と考えていました。
今年に入って当たりすぎ、という愚痴を前の記事で書きましたが、決勝まで来て当たったらそれはもう仕方なし。
戦型は四間飛車対急戦。
こういう大きいところで当たった時に居飛車穴熊一本だと狙い撃ちされた時が怖いので、二本目の武器を用意したいと思っていて、今年は意図的に急戦を指してましたが、その蓄積を生かす場面がやってきました。
お相手N氏がちょっと強引に動いてきて迎えた下図。
桂得で、先に竜もできていてしかも桂馬がさばけているので良さそうではあるのですが、と金攻めが受からない格好。金駒はがされて飛車が成られると大体アウトなので素早い攻めが求められる局面です。
ここでの正解は☖1三角。
☖4六角から☖3六桂の筋が妙に受けずらく、これなら決め手クラスでした。
ところが本譜は☖1五歩☗7五飛☖1六歩☗1八歩☖1三角とやや遅れたタイミングで☖1三角を決行したため攻めが細くなってしまいました。
☖1三角~☖3六桂の進行の時に、端の突き捨てがあったほうがいいなと思い☖1五歩突いたのですが、無視されるんですね。
単に☖1三角出て☖3六桂打つ筋は☗1七玉と交わされたときに寄せ切れるか不安だったのですが、質になっている駒が多く、そこで☖1五歩突けば流石に寄せ切れそう。
自玉もと金で金2枚はがされるくらいではまだ持ちこたえていますし。
その点ではここで先に端突いたのは完全な手順前後でした。
さて、単に☖1三角としたときの違いは6五の桂馬が外されること。
その違いのほどは少し進んだ下図を見ていただければわかるかと思います。
この局面で仮に6五の桂馬が生きていたら、☖5七角成や☖4九竜☗同玉☖5七桂不成で決まりなのですが。
☖6九竜と無理やり銀を取りに行くのも☗5九金寄で切れ模様。
継続手段の難しそうな局面ですが、ここでかねてから用意の一着がありました。
☖7六歩!
意味は☖7七歩成から☖8七竜で「2八に打ち込む駒を寄越せ」という単純なものですが、これが妙に受けにくい。
☗同銀も☖8六竜がありますし、☗7五飛には☖6五歩。
先手側は歩切れなのが響いています。
多分☗3六歩が上記の筋を回避できる唯一の選択肢ですが、☖1九角成で攻めがつながる形になるのでペースは握れるのかなと。
N氏は☖7六歩が見えていなかったとのことで、時間ギリギリまで使って☗4七銀としましたが、これにも☖7七歩成が決まり(☗同角は☖5七角成!)、以下いくばくもなく勝ちに。
お相手N氏のここまでの手の流れから推測すると、こちらの攻めを切らすか切れ模様にさせて、と金攻めを間に合わせるという方針でここまできているはずなので、その方針に反する☗3六歩は指しにくかったのかなと思います。
最善を逃したのはいただけませんが、かなり珍しい一発KOみたいな勝ち方で爽快感がありましたね。
これで2年半ぶりの県大会優勝。
県内主要8大タイトル戦(三大タイトル、支部名人、竜王、この大会、赤旗、朝日)の完全制覇も達成。
これ、今年の4月のアマ竜王で先越されて達成されたのは地味に悔しかったのですが、達成者ほとんどいない(自分で多分4人目?ちゃんと調べてないけど)はずなので内心かなり喜んでいます。
また、同時に9月に行われる全国アマ名人戦の出場も決め、将棋へのモチベーションがぐっと戻ってきました。
・・・9月まで繁忙期なので、将棋勉強する時間とれるのだろうか、という一抹の不安はありますが。
またいい報告ができるよう、あと約2か月、少しでも強くなれるよう頑張ります。