新型コロナの影響で東北六県大会が来年に延期となってしまいました。
その代替、というわけでもないのですが、初めての企画である将棋倶楽部24を用いた標題の大会が開催され、1月の県王将で優勝して東北六県大会の代表権を得ていたこともあって選手として出場してきました。
以下恒例の振り返り。
レギュレーションは各県2人の代表+東北出身の奨励会級位者4人の計16人を8人ずつに分けてスイス式3回戦による予選後、各予選の組の同順位者による順位決定戦というもの。
その他詳細は以下のサイトにまとまってます。
○予選1回戦
初戦は宮城代表のA氏。自分の出身大学の後輩で、OB対決。
前に東北六県大会で指したことがあり、確かそれ以来の大会での対局。その時は幸いしましたが、いかんせん3年程前の話で、当然向こうは強くなってますから参考外。
むしろ、今大会のメンバー揃った段階で優勝候補筆頭だと思っていたので、初戦の抽選運の無さにげんなり。
先手番引いて角換わりに。あまり想定していなかった形になった下図。
☗1七桂じゃ流石に・・・と思い指す手がわからなくてパニックに。
それにしても☗7五歩は酷かった。当然の☖6五歩でほとんど戦意喪失。
このあとは暴れて切らされて終了。
ところが。
感想戦では以下☗同歩☖3九角☗6八飛☖7五角成に☗4八銀から☗5七銀で相手の馬を目標に盛り上がれば悪そうながらまだ一局の将棋という事が判明。
全然見えていませんでしたが、どこかで応用利きそうな手順なので覚えておこう。
システム上、予選で一回負けると優勝はありえなくなり(優勝決定戦は各予選の組の全勝同士で対戦)、ここからは少しでも上を目指す戦い。
とはいえ、予選で2-1じゃないと入賞(8位まで)できないので、ここからは2連勝条件。
○予選2回戦
2回戦は山形代表のH氏。去年の六県大会で対局してそれ以来。
後手番で、H氏の四間飛車に試してみたかったelmo囲い+右四間端桂ver。
ここからのH氏の対抗策が秀逸。あんまり右四間やらないということもあって、この手順は初めて見ました。
☗7五歩☖8五桂☗8八角☖6五歩☗7四歩☖同歩☗7八飛。
端桂跳ねる右四間の弱点を上手く突かれた感があります。
今から見れば上の図から☖6六角☗同角☖同歩☗7四飛に☖6七角ぶち込むという野蛮な手段もあったのですが、本譜は☖6四飛から☗5五角打たせて1一の香車を取らせる代償に先に飛車を成りこむコースへ。
途中でこちらに一失あって迎えた下図。
逆転するなら・・・ある展開を狙うしかないと思い☖5五角と打ちます。
以下、☗5六歩☖8八角成☗9一竜☖1一香☗2二馬☖同金☗6三歩☖同歩☗6二歩に☖6六馬。
さっきと比べると振り飛車に危ない筋が発生していて逆転模様です。
実は狙っていた展開がこの局面。
あのダイヤモンド美濃を攻略するには☗5六歩を突かせて上の図のような3九角の筋を生じさせるしかないと思っていて、いかにも5六歩と突きたいだろうと踏んでの(2つ前の局面で☖5五角に☗5六歩とすれば、将来的に☗5五歩から桂が取れそうなこともある)ギャンブル的な一着でした。
ちなみに正着は☗5六歩に替えて☗7三歩。
と金で一枚一枚はがされるとホントに駄目な局面でした。
この後は攻めが筋に入ってしまい押し切り勝ち。
戦前ひそかに恐れていた全敗は避けることができました。
○予選3回戦
勝てば入賞確定。負ければ何も無し。
お相手は招待選手のF氏。福島の奨励会員の子です。
先手番を引いてゴキ中vs丸山ワクチン風味の序盤に。
☗7七桂とかで一手溜めるべきだったのですが、ムラムラッとして☗3五歩☖同歩☗1五歩とやってしまいましたがこれは暴発気味。
以下☖同歩☗同香☖同香☗3四歩に☖1六歩から飛車を抑え込まれる展開になってやや苦しくなってしまいました。
大分進んで下図。
端を詰めたのが大きく、かなり差が詰まったと感じていましたが、次の☖4六歩を見せられて忙しい局面でどうするか。
ここからの5手で大分景色が変わります。
ここから☗2四歩☖同歩☗6五歩☖同歩☗8五歩。
☗1四角の筋を見せて間接的に☖4六歩を緩和しつつじっと☗8五歩で玉頭にプレッシャーをかけるのがこの手の位取り系の将棋のキモ。
逆転の手ごたえを感じる味の良い一着です。
さらに進んで下図。
途中でグダグダな指し手を続けてしまい、一瞬怪しくなりかけましたがやっとゴールが見えて来た局面。
☗2九飛☖6三馬☗2四飛。
当然ながら、隠居していた飛車の大回転が決め手。
ここまで綺麗に全部の駒が使えると気もちいいですね。
以下はいくばくもなく勝ち。
これで予選は2-1となりソルコフによりリーグ3位で通過。
5・6位決定戦に回ることに。
○5・6位決定戦
最終局の順位決定戦は秋田代表のS氏。秋田を代表する強豪で、しばしば全国大会上位でもお名前をみかけます。
この方も以前東北六県大会で対局して以来。たしか八年ぶりとかそのレベルで久々の対局です。
互いに意地を張り通して力戦模様となった下図。
図の☗2三銀は手応えがあったのですが…
☖4五金☗同桂☖同銀☗5七飛☖6五桂と進み嫌な雰囲気に。
時間の無い中でも、ここで落ち着いて読みを入れ☗5四歩と強く指せたのが勝着。
読み切っていたわけではないのですが、☖5七桂(不)成☗3三角成☖同桂☗5三歩成の進行は一手勝ちコースと気が付いたのが幸いでした。
本譜は☖5四同歩だったため、☗3三角成☖同桂☗2七飛で以下勝ち。
5位入賞となりました。
○大会を通して
オンラインとはいえ久々の大会で、結構楽しく指せました。
もともと24などのネット将棋は雑になるのであまり好きではなかったのですが、大会形式だと集中できてこれはこれでアリですね。
まぁ、大会通して雑なつくりが多かったのは否めませんが・・・
それでも、久々に自分らしい指し回しが多くできたので満足感の高い1日でした。
また、次に大会出るのは下手したら来年の可能性があるので、それまでなんとかモチベーション保てるよう、ネット将棋の活用も視野に入れて色々と考えていこうかなとも感じた日でしたね。
最後に、対局していただいた4人の代表の方々、1日解説役を務めて頂いた島朗先生、そして、企画運営に携わった皆さまに感謝して結びとしたいと思います。
どうもありがとうございました!!