ねいぴあの雑記帳

ドミニオンとか将棋とかミステリとか脈絡のない雑記帳

県有段者選手権

Twitter上ですでにご報告の通りですが、表題の大会にて優勝し、東北6県大会の代表に選ばれました。

進学先の県では代表経験はありますが、地元での代表はこれが初めてなのと、ここ最近冴えない将棋ばっかり指していて腐っていたため素直に嬉しいです。また、お祝いのリプライを頂いた方々、ありがとうございます。励みになります。

 

 

せっかくなので振り返りをば。

この大会は2週にわたって行われ、1週目で勝ちあがった7人+前年優勝者の計8人で2週目が行われます。1週目の予選会から県代表クラスと連戦でなんとか代表を獲得して臨んだ2週目は、準々決勝からの一発トーナメントです。

 

・準々決勝 対W氏

 

お相手はつい最近こちらに戻ってきたW氏。ここ4,5年は関東に転勤していたため、進学で地元を離れていた自分とはあまり接点がなかったのですが、少し前の大会で対戦しボコボコにされたため、正直あまり当たりたくないな、と思った方。とはいえ、2週目に進出した選手皆、県代表もしくはそれに準ずる実力を持っているメンバーなので誰と当たってもきついアタリにはなるのですが・・・

 

この大会にでるに当たって、相矢倉・正調角換わりはいろいろと準備してきたのですが、先手W氏の初手は☗2六歩。相掛りや横歩取り、一手損角換わりはほとんどやらないので、この初手を見て1分ほど固まる。というか、先手に初手で飛車先突かれてフリーズするって、どんだけ準備不足なんですかね・・・

上記3つの戦型に自信がなかったので、仕方なくたまに使う菊水矢倉を選択。お互いに組み合って下図。(※先後反転してます)

 

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本譜はここで☖5五歩とつっかけましたが、これは疑問手。☖8四歩とじっと突くか、☖8二角とあたりを避ける、☖2一玉と玉形を安定させるのどれかを選ぶべきだったように思います。

☖5五歩以下、☗同歩☖同飛(☖同銀は☗3五歩で悪い。誤算その1)☗6五歩☖7三角☗6六銀☖5一飛☗4六歩☖同歩☗同角☖同角☗同銀と進み下図。

 

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ここで☖5九飛成とできないのが誤算その2。☗8六角の王手飛車で終了です。では☖1九角☗4八飛☖4七歩はというと、以下☗同飛☖5八飛成☗5七飛がぴったりでこれも駄目。仕方ないので☖4五歩☗5七銀右☖1九角☗4八飛☖7三角成としましたが、☗3七角が成立するのが誤算その3。

 

☖同馬☗同桂☖3五歩でなんとかなるのでは、と対局中は思っていましたが、☗5六銀☖5九角☗4七飛☖4六歩に☗5七飛が逆先になるのが痛く、☖4八角成☗5二歩☖同飛☗4五歩☖5三銀☗3五歩☖3六歩☗6一角(下図)と進むと、35と45の2つの位が急所を抑えていて、絶望的な局面になってしまいました。

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☖5五歩以下のW氏の組み立てが上手すぎましたね。こちらの仕掛け周辺の読みの雑さもひどかったですが、こちらの手に乗って駒を自然に働かせるW氏の指し手は参考になります。ちなみに、最後の☗6一角も大事なところで、飛車を逃げてバッサリ☗4三角成としてしまうのがこの囲いの急所。

このあとはW氏が明快な一手勝ちコースの手を逃し、終盤でさらに一失あったため逆転勝ち。

 勝ちはしたものの、やはり読みの雑さが目立つ一局でした。

ちなみにこの戦型、後手が苦労して4五の位をとったわりにはあまり上手くいかないな、というのが指してみた感想です。桂頭に潜在的な弱点を抱える菊水矢倉よりかは、銀冠の方がいいのでしょうかね?

 

・準決勝

 

準決勝は前回優勝者のH氏。この将棋は氏得意の急戦矢倉を迎え撃ち、相手の序盤の趣向を咎めて押し切り勝ち。序盤で終わったようなものなので局面は省略。

 

・決勝

 

決勝戦はY氏。1週目の予選会では負かされて敗者復活に回るハメになったのでリベンジしたいところ。

 

将棋はY氏の先手中飛車に一直線穴熊から相穴熊。

朝日杯決勝の羽生ー渡辺に近い感じの進行です。

 

互いにがっぷり組み合った図(先後反転しています)はお互いどう指すか難しい所。最悪こちらは後手番なので千日手でもいいのですが。

 

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ここから☖5二飛☗5六飛☖8二飛☗5八飛☖8四角と進み下図。

 

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とりあえずすぐのこちらからの仕掛けは見えないので千日手含みで手を渡します。上の図で相手の指し手がわからなかった(仮に☗2六歩からの繰り替えは☖7三桂が間に合いそう)のですが、ここで☗4八銀が一度上がった銀だけに盲点でした。

 

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こちらが何もしないと4七~5六の繰り替えがあり、その形を許すとまずそうなので☖6五歩☗5六飛☖6二飛と牽制。しかし、☗8六歩と突かれて戦いにされると、4八の銀が角のラインから3九の金をブロックしていてあまり自信のある戦いではありません。☗8六歩以下は、☖6六歩☗同歩☖8六歩☗同角☖6六角と進展。

 

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長くなりますが、☖6二飛としたときの読みの本線はここから、

 ☗6三歩☖同飛☗6四歩☖8三飛☗6六飛☖8六飛☗6三歩成☖8九飛成☗5二と☖7七角☗6一飛成☖9九角成☗4一と☖5五馬。

 

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一枚はがされますが、先手は歩切れ+桂香がダイレクトに拾えないので、やや良し。という読みをしていましたが、感想戦で観戦者からこの図から☗5八角を指摘されて愕然。

 

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4三の金取りを受けないといけませんが、次の7四角成が歩切れを解消しつつ自陣に効いているため、逆にこう進むとこちらが悪いですね。読みが足りないのか、☖6二飛として大丈夫という大局観が悪いのか。なんにしろ、こういうところが実力不足なんですよね。精進しなければ。。。

 

本譜は☖6六角の局面からこうは進まず、☗7七桂☖4八角成☗同金上☖6七飛成と進展し、事なきを得ました。このあと互いにミスをし合ったのですが、お相手のY氏のミスの度合いが大きく、一手勝ち。

 

 

というわけで、なんとか優勝しましたが、次のステージの東北六県大会では今大会のような読みの精度では致命傷になる可能性があるため、大会までに鍛錬して備えようと思います。

 

 では、今回の記事はこの辺で。