ねいぴあの雑記帳

ドミニオンとか将棋とかミステリとか脈絡のない雑記帳

東北六県将棋大会振り返り(その5)

4回戦を終え、自分の弱さに打ちひしがれていましたが、昼食休憩があったのは幸いでした。正直こっそり青森に逃げ帰ろうかとも考えていたのですが、1時間弱あった休憩を使ってなんとか気持ちを立て直し、最終戦の条件を確認して、前向きな気持ちで盤の前に座ることができました。

 

終戦の相手は宮城県。大学の後輩2名が大将・副将に座り、先鋒には学生名人準優勝の棋歴を持ち、最近首都圏から地元宮城にカムバックしてきた若きエース。かなり若いチームです。

 

さて、最終戦の条件ですが、まず優勝はここまで土つかずの岩手県で確定。狙える最高順位は2位。その2位争いは、

青森:チーム2勝 個人勝ち点合計5

秋田:チーム2勝 個人勝ち点合計6

宮城:チーム3勝 個人勝ち点合計7

の3チーム。順位決定方法は①チームの勝数②個人勝ち点の合計③チームの直接対決の結果の順で決定されます。

つまり最終戦の条件は・・・

  • 青森負け・・・4位以下。入賞圏外。
  • 青森が2-1で勝ち・・・宮城に3勝で並ぶが個人勝ち点は上回れず。秋田が最終戦勝てば秋田にも個人勝ち点負けるため4位。秋田負けなら3位。
  • 青森が3-0で勝ち・・・宮城を上回るため3位以上確定。秋田が2-1以上した場合、直接対決で負けている為3位。秋田負けなら2位。

他力ですが2位の条件はあるのでそこを目指して(つまりは3-0目指して)頑張ろうとチーム内で共有。ここまでチームの足を引っ張るような成績でしたが、最終戦に貢献の機会がまだある、ということを確認できたのが立ち直ったきっかけになったような気がします。

 

5回戦:対宮城県

 

お相手は大学の後輩であり、現役の大学3年生のA氏。現状の大学将棋部内ではエースポジションにいるわけで、正直一番脂の乗った時期の部内エースと、下降線をたどり始めたアラサー県代表では客観的に見て前者有利と思っていました。とはいえ、チーム事情もあり、かつ、後輩に情けない姿は見せられないと思い盤の前へ。

先手を引き当て、1・2局目でも試みた早繰銀を志向するも、下図から☖6二銀☗7八金☖4四歩からA氏の陽動振り飛車に。

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こちらがミレニアム、A氏がダイヤモンド美濃に組み駒組みの飽和点を迎えた下図。☗8六歩と☖5四歩の交換を入れたところ。こちらが手損なしで組めているのに対して、A氏は陽動振り飛車の宿命で3手損(7二の銀は6三から引き、4二の飛車は2二から展開)のため、作戦勝ちを感じていました。

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ただ、それは上図から先攻できればの話。黙っていれば☖5五歩があります。なにはともあれ☗2四歩☖同歩☗3五歩。☖3五同歩には雑に☗同角としてしまってよさそう。☖3六歩には☗3四歩☖2二角☗2四角としてなんとかなりそうですかね。☖3五同歩に☗同角に代えて☗2六飛でも不満無しだと思います。

本譜は☗3五歩に☖4四飛。以下、☗2六飛☖3五歩☗同角☖3四飛☗3六飛で下図。

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 仕掛け直前に☖5四歩を突かせた意図がこの局面を想定したもの。次に☗7一角成があります。それを避けて☖8三玉もあるかなと思いましたが、☗4五桂☖2二角☗2三歩とし、続けて☗3七歩~☗5七角の予定。

本譜は☖4四角の決戦策。☗同角☖3六飛☗4五桂☖3八飛成☗5三桂成☖4三歩☗5二成桂☖4四歩☗6一成桂☖同銀と進行。

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守備金2枚を剥ぎ取り好調ですが、ここで次の手は選択肢広く難しい。筋は☗6五歩かなと思いましたが、諸刃の剣。☗5三金☖7二銀引☗7五歩も7六のスペース空くので同様。事前に考えていた2択が潰れどうしようかと思っていたのですが、☗4三角☖7二銀上☗6二金を発見して安堵。

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☖3九飛☗6八金引に、A氏の予定は☖3五角とのことで、☗6七金打と使うようでは変調ですが、☗6三金☖同銀☗6一角成で寄り。

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この変化を読み切れたのが幸いでした。本譜は☖3五角に代えて☖3一竜。以下☗5三金☖3三飛成☗3四歩と進み、自陣に全く怖い所がなくなり勝勢。このあとは寄せをぐだって長引きましたが押し切ることができました。

 

負けた前2局が悲惨な内容で、気持ちが折れかかりましたが最後は自分らしい直線的な内容で勝つことができてホッとしました。

ちなみに、チームは2-1勝ち。秋田が福島に負けたことにより3位滑りこみ。なんとか入賞圏内を確保しました。

 

個人成績は2-3で5位。決して満足できる成績ではなく、また、自分の弱いところが浮き彫りになった大会でした。もし、次の機会が与えられるのならば、今回の経験を糧にして修練して臨みたいと思います。

 

盤上の話はこれでおしまいですが、振り返り記事はもうちょっとだけ続きます。

 

(続く)