ねいぴあの雑記帳

ドミニオンとか将棋とかミステリとか脈絡のない雑記帳

2018.7月 読んだ本

早坂吝 探偵AIのリアル・ディープラーニング

 

あらすじと感想:

人工知能の研究者だった父が、「探偵」と「犯人」、双子のAIを遺して謎の死を遂げた。高校生の息子:輔は探偵のAI:相以(アイ)とともに父の死の真相を探るが、犯人のAI:以相(イア)を奪い悪用するテロリスト集団の陰謀に巻き込まれていく・・・

 

作中でも触れられていますが、探偵(推理小説のような事件を扱う探偵)とAI:人工知能の相性はいいのかもしれません。推理小説電子書籍というビックデータが教師役になり得るのはこのご時世ならではの着眼点ですよね。

 

とはいえ、事はそう簡単ではなく、作中での相以はAIならではの種々の問題点に突き当たります。これは犯人のAI:以相も同様で、AIが成長するにあたり発生する課題がわかりやすくまとめられており、その点も好感が持てる作品でした。

 

いくつかの現実世界の事件を解決し、相以が成長していく様はまさに「リアル・ディープラーニング」。そして最終章での”中国語の部屋”でのゲームの結末は、これまでの物語を踏まえた印象的な仕上がりになっており、大満足の一冊。

 

もしかしたら、今後の『探偵』像へ影響を与える記念碑的な一冊・・・に将来なるのかもしれません。

 

 

新井紀子 AI vs 教科書が読めない子どもたち

 

感想:

たまにはこういうミステリ以外も読んでみたくなることもあり、何かと話題になっている本書をチョイス。

前半ではAIにできること・できないことが、AIを東京大学に合格させるというプロジェクトの中で突きあたった課題とその解決を通して、また、現代数学の限界を示しながら非常にわかりやすく書かれている印象。

そしてメインの後半は著者が開発したRST(リーディングスキルテスト)の結果を踏まえながら、こどもたちの読解力について触れられていますが、その結果たるや・・・

RSTで実際に出題される問題は本書に数例掲載されているのですが、正直「このレベルの問題でこの正答率か」と軽い失望感を覚えるような結果がでています。

 

本書の中では、人類の発展の歴史の中で失われてきた職業に触れ、昨今のAIブームによりやはり必要性のない職種が増えて来ること、そしてその数はこれまでの「失業の歴史」で失われた職業の数の比ではないこと 、ではAIに置換されない職業はどのようなものがあるか、どういう分野で強みを発揮する人がそのような職業に適性があるかということにも触れられています。

そして、上記のようなRSTでの結果を見る限りでは大半の人があまり明るくない未来が待ち受けているように思われます。

 

職業というものが大きく変容するかもしれないこの先に向けてどのような能力を身につけるべきか、今お子さんをお持ちの方でも、そうでない方でも、一度読んでおいてほしい一冊です。

 

 

佐藤優 国家の罠

 

感想:

たまにはミステリ以外を第2弾。

鈴木宗男事件絡みで逮捕された元外交官の筆者が、現役時代にどのような諜報活動を行ってきたのかを楽しみに読み始めたのですが、期待したよりもその描写が少なかったのは残念。

ただし、それを補って余りある外務省内・国会議員とのパワーゲーム、検察官との取り調べの描写は大満足。

 

また、作中で筆者の述べる「国策捜査」の定義にはなかなか考えさせられるものがあり、また似たような事件があるたびに思い出すことになりそうです。

 

文庫版で500ページ超えとなかなかボリュームがありましたが、引き込まれる筆致で一気に読み切ることができました。

 

2018.6月 読んだ本

青崎有吾  アンデットガール・マーダーファルスⅠ

 

感想:

鮎川哲也賞受賞作『体育館の殺人』を皮切りとした学園モノの裏染シリーズが代表作に挙げられる青崎有吾の新シリーズの舞台は、雰囲気を一転させて伝説の怪物が跋扈する19世紀末のヨーロッパ。

人が忌み嫌う「怪物専門」の事件を取り扱う探偵集団”鳥籠使い”一行をメインキャラクターに添えて繰り広げられる物語は、舞台が変われど作者特有の軽妙な会話が主体でコミカルに進んでいきます。

2章に分かれた本書は、そのどちらも特殊設定を生かした解決に仕上がっており、特に第1章の「吸血鬼」のハウダニットは秀逸。

序章や作中で語られる輪堂鴉夜と津軽真打の出会いやそれぞれの過去、最後に明らかになる”鳥籠使い”一行の敵など、次作への期待感も十分な”笑劇”(ファルス)を堪能させてもらいました。

 

 

汀こるもの 火の中の竜

 

あらすじと感想:

インターネットよろず相談所「さらまんどら」を本拠とする”炎上専門”の探偵「オメガ」。パソコン教室の講師であるぼくは「オメガ」の数々の非常識な解決を目の当たりにして・・・

 

小説は、いつ読んでも色あせない輝きを放つものと、タイムリーな話題を扱うため出版当時が最も強い輝きを放つものとの2種類あると考えています。

で、あらすじを読んでご理解いただいたと思いますが、本書は後者。インターネットが遍く普及し、様々なトラブルが表面化してかつその解決策も一義に定まっていないこのタイミングが最も楽しめるタイミングだと思われます。

 

 

 

青崎有吾  アンデットガール・マーダーファルスⅡ

 

感想:

前述の作品の続編。”鳥籠使い”一行の敵や、シャーロック・ホームズ、アルセーヌ・ルパンも登場し、超豪華な顔ぶれ。

ルパンが予告状を出したある宝石をめぐる争奪戦なのですが、宝石をめぐる攻防戦や、その前の”笑劇”も、予想外の展開に驚き、笑わせてもらえました。

ただ、個人的にはその後の戦闘シーンが冗長に感じられました。キャラが多いので致し方ないのでしょうが、推理対決みたいな展開になるのかなと勝手に期待していた自分が悪いといえばそれまでなのですが・・・(笑)

 

最終盤には新たなキャラも登場し、3作目も楽しみです。

 

 

 

 

Stefに初勝利

大学時代からドミニオンを嗜んできていましたが、もっぱら主戦場はネット上でした。覚え始めの頃は先輩宅で実機(?)で遊んでいましたが、学年が進むにつれ皆忙しくて卓が立たないことが多かったからです。

 

ネット上のドミニオンはIsotropicから、Goko、Goko2、そして今のStefドミとかなり長期間遊んできました。

さて、ネットでドミニオンを遊んでいくうえで、長らく、それこそIsotropic時代から「世界最強」と多くのプレイヤーに認識され続けてきたプレイヤーがいます。その方は現在のStefドミの運営者のお一人Stef氏。

 

Goko時代から何度か挑戦させていただいたことがあったのですが、一度も勝った事無く今日まで至ります。ところが、今日偶然Auto Matchingで久々に挑戦する機会を得られ、運良く初勝利を挙げることができました。

 

つまり何が言いたいかというと、今までドミニオンやってきた中で3本の指に入るレベルで嬉しい出来事だったので記念にブログ記事に残しておこうと、そういうわけです。

 

証拠はこちら。(終了時のスクリーンショットは撮るの忘れた)

 

f:id:Napier2784:20180605210554p:plain

 

スクリーンショットではゲームid見えにくいですが、 id#15186611  です。

 

 

・・・まぁ、闇市場で村系と優秀なドロー仕入れることができた(貧民街ではほとんど共同墓地と化すので+1ドローがつく村の方がほしい)おかげなので、「運ゲーじゃねぇか!」といわれればそれまでなのですが、運ゲーだったとしてもいいのです。本人は何と言われようともめちゃくちゃ嬉しい。

 

 

最近はStefドミで遊ぶにしても惰性でだらだらとプレイしている事の方が多かったのですが、今回の出来事で今後のドミニオンライフにも張りがでてきたというか。日本選手権には残念ながら出られないので、レート60を目標に頑張っていきたいと思います。

2018.5月 読んだ本

北山猛邦  『クロック城』殺人事件

 

感想:

第24回メフィスト賞受賞作。最近好んで読んでいる北山猛邦のデビュー作。

一般的な氏の作品への印象としてあるのは”物理の北山”と呼ばれる物理トリックと、終末的なイメージの世界観かと思われます。少なくとも自分が調べてみた感じだとそうでした。

しかして本作は滅亡が間近に迫る世界が舞台となっており、後者のイメージがゴリゴリに押し出されている文体で、メインの謎である衆人環視の密室の解明も豪快な物理トリックが用いられています。が、しかし。「SEEM」や「十一人委員会」、「ゲシュタルトの欠片」などの終末世界のガジェットが掘り下げが足りていない感じがしますし、物理トリックも真相がわかりやすく感じられました。

上記のような感想を持ちながら読み進め、密室の謎も明かされ、「・・・これでメフィスト賞?」と思っていたらまだまだ残りのページが。

緊張感あふれる脱出劇や2つの巨大勢力の対峙、その対峙の間での推理合戦、そこで明らかになる大量の真相など、そこからの怒涛の展開は前述の不振を払拭するのに充分なもの。特に最終盤で明かされる本格ミステリ特有の”アレ”の理由には度肝を抜かれ、「・・・これは確かにメフィスト賞だ」と認識を改めざるをえませんでした。

 

前述の難点はあり、読む人を選ぶかもしれませんが、傑作と呼んで差し支えない作品かと思います。

 

 

 

相沢沙呼  午前零時のサンドリヨン

 

感想:

第19回鮎川哲也賞受賞作。いわゆる「日常の謎」モノで、高校一年生の語り手の恋愛描写も絡む青春モノの連作短編集。

この手の片想い中の男子高校生が語り手の小説を読むと、なんとも形容し難い胸のザワつきを覚えるんですよね。大学生活の後半の方で『とらドラ!』のアニメをぶっ通しで視聴したことがあるのですが、そのときに感じたものと近いものがあります。共感してもらえますかね、この感覚。

 

それはさておき。軽い、ポップな文体で描かれた本作は各章の謎も魅力的で解決もスマートに感じられました。最終章でのクライマックスも意外性に富み、また、臨場感あるものに仕上がっていて大満足。鮎川哲也賞は新人作家に贈られる賞ですが、それを感じさせない読み応えのある作品でした。

また、探偵役のヒロインはマジシャンという設定で、随所にマジックネタがみられるのですが、マジックを見るのが好きな自分としてはその点も好印象。(特定のマジックのネタばらしがあるわけではないです。念のため)

 

早坂吝  誰も僕を裁けない

 

感想:

"援交探偵  上木らいち"シリーズ第3作。講談社ノベルスで読んだんですが、裏表紙のあらすじにもあるように、「エロミスと社会派の融合」を謳っている本作ですが、企みが成功しているかというと、個人的には微妙なところ。

「法」というものに仕事で触れ、本作で描かれていることは法の持つ一面としてある程度当然のものとして認識しているからかもしれませんが。

あと、作中で扱われている殺人事件の真相も大半が見えやすくなっており、シリーズの前二作のような奇想天外な仕掛けがほとんどないのも微妙だったかなと。

 

ネガティブな評価をつらつら書いてきましたが、もう一人の視点人物、戸田に関してのプロットはそうまとめますかと膝を打ちました。読み進めていく中で、プロローグと矛盾が生じてないか?と思っていましたが当然そんなことはなく、美しいエピローグに仕上がっています。

 

前2作のようなトリッキーさはないですが、シリーズモノで毎度同じ展開を繰り返しても食傷気味ではありますし、これはこれでアリなのかなという印象です。

 

 

中山七里  連続殺人鬼カエル男ふたたび

 

感想:

「連続殺人鬼カエル男」の続編。続編が出るとは全く思っていなくて、書店で見つけて即購入した一冊です。

シリーズものって、どこから読んでも大丈夫なものと、順番に読むべきものがありますが、このシリーズは明らかに後者ですね。

 

ストーリーは前作でもお馴染み、渡瀬と古手川の刑事コンビの活躍や、刑法第39条の是非など、警察小説と社会派ミステリが融合したような印象を受けます。

特に、作中で渡瀬の語る責任能力の無い犯罪者への処遇の歴史については一読の価値あり。まぁ、近代法ができてから今日までそのようなルールでやってきた、だから正しい、と盲信するのは危険で、より良いルール作りは心がけていくのは当然ですが。

 

事件の真相については、終盤のどんでん返しを得意とする作者らしい仕上がり。フェアかアンフェアかで言えばかなり綱渡りのような気がしますが、あのラストにもっていくためには致し方ないでしょう。

 

ちなみに、作中で登場した弁護士御子柴が主役の別シリーズも興味があるので、読んでみようかなと思っていたり。

 

 

天祢涼  銀髪少女は音を視る

 

感想:

「キョウカンカク」シリーズの第3作。今作から”ニュクス事件ファイル”なる副題がつき、発行レーベルも講談社タイガに変更されています。

 

美夜と相棒の警察官・一路のコンビで犯人の”ジェネシス”による電話での指示によりミッションをこなしていく様は「ダイ・ハード3」っぽいなーとか思ったり。しかし、奮闘むなしく次の事件が起こってしまうのですが、そこからの展開は二転三転めまぐるしく動いていき、予断を許さない展開から導き出される結末は予想だにしないもの。

ただ、意外性に富んだプロットではあるのですが、分量が少ないせいかやや駆け足で後半部分が進んでいってしまったのは残念。前回までの講談社ブックスならちょうどよい長さに仕上がったのかなと。

 

あと、これは個人的に残念だったことですが、もうちょっと矢萩さんの出番がほしかったです(笑)

 

天祢涼  透明人間の異常な愛

 

感想:

 「キョウカンカク」シリーズの第4作。街中での捜査がメインだった過去3作と異なり、今回は密閉された研究所で”透明人間”との対決という趣向になっています。

 

美夜の共感覚を用いてどう”透明人間”に勝つのかがメインですが、ところどころそれだけでは終わらないことがわかるある人物の独白混じりでストーリーが進んでいき、不穏な雰囲気を感じさせます。

 

緊迫感ある”透明人間”との幾度かの対決を終え、明らかになるある人物の正体はかなりのサプライズ。シリーズの方向性が示される仕上がりで、続編も楽しみです。

 

麻耶雄嵩 化石少女

 

感想:

名門の私立ペルム学園の古生物部の部長まりあを探偵役、部員の彰をワトソン役に据えた学園モノの連作短編集。

まりあの繰り出す豪快な、そして破壊的な推理や、彰の章を追うごとに苛烈になっていくブラックジョークなど、楽しく読める一冊です。

ただ、それで終わらせないのが麻耶雄嵩。探偵とワトソン役のあり方を追求し続けている麻耶雄嵩らしいラストは大満足。最終章の「赤と黒」のタイトルの意味がわかったときは膝を打ちました。

 

…それにしても、某有名ミステリ漫画並みに殺人事件が起こるこの学校大丈夫なのかと思ってしまうのは野暮なんでしょうね。

ドミニオン今日の一枚 〜工匠〜

不定期連載です。そもそも連載にならなかったらごめんなさいということで。

 

ことの発端は最近ドミニオンの記事書いてないからそろそろ何か書こうかなーと考えていたところ、ヒロタシさんからこんな企画が。

 

 乗っかってみたところ、指定は「工匠」

 

 

 

 

 

工匠

コスト5
アクション

+1カード

+1アクション

+1金

手札を任意の枚数捨てる。捨てたカード1枚につき1金のコストを持つカードを獲得して山札の上に置いてよい。

 

手札が多ければ多いほどできることの選択肢が増えるためよく、逆に常時ハンデスが飛んでくるような場では購入は控えるべきでしょう。また、デッキトップに置くのは強制で、勝利点獲得時には次のターンが弱くなるため注意が必要。

 

ドミニオンの5コストのカード群には、ゲームへの影響が強いカードが多数あります。

例えば、総督、香具師、立て直し、拷問人、大使館などが挙げられるかと思います。

で、この工匠というカードも5コストですが、上記のような単体でゲームの支配力が大きいカードではなく、他と組み合わせて強みを発揮するカードですね。

 

以下に相性のいいカードを挙げていきます。

 

「手札がn枚になるまでカードを引く」効果を持つカード(書庫、望楼、よろず屋など)

 

これは言わずもがな。例えば3枚捨て札にしてトップに銀貨を乗せ、上記のカードで引くだけでもそのターンの出力は相当でしょう。

特に工匠ー書庫はドミニオンの日々でも紹介されています。

 

d.hatena.ne.jp

 

 

山札トップを参照する効果を持つカード(家臣、秘術師)

 

工匠の効果による獲得時はデッキトップに乗ります。そのことを生かせるのは上記2枚。家臣はアクション獲得時に、秘術師は何を乗せても必中です。

 

移動動物園

 

手札からカードを捨てることにより、手札の被りを解消することができます。移動動物園は容易に3ドローできるでしょう。

 

なお、工匠の効果で捨て札にした際の獲得時効果は任意です。そのため、2枚捨てたいけど2コストのカードが屋敷しかない・・・というときにも気兼ねなく捨て札にできます。

 

策士

 

前述のとおり、工匠使用時に手札が多ければ多いほど獲得できるカードの選択肢が増えます。

村鍛冶や研究所連打で手札を増やすのも当然相性はいいわけですが、策士があればお手軽です。

d.hatena.ne.jp

またドミニオンの日々からの引用になってしまいますが、工匠と策士だけで策士ループの完成です。知る限りでは最も簡素な策士ループだと思います。

 

会計所、開拓者

 

相性バツグン…とまではいかないですが、カード獲得のために捨て札にした銅貨を手札に加えることができるため、組ませるのは一考の余地ありかも。

 

コストを下げるカード(橋、街道、橋の下のトロルなど)

 

捨て札にする枚数が少なくなります。重ね掛けすると・・・?

 

公爵

 

ハンデスのない場であれば、工匠使用時には必ず5コスト以下のカードが獲得できます。かき集めたい5コストのカードといえば…公領公爵の組み合わせ。獲得時にデッキトップに乗るのは癪ですが、工匠数枚挿して公爵ルートはアリだと考えます。

 

ただし、工匠引かないと公領公爵獲得できないようなデッキだと工匠被りやデッキのどの位置で工匠引くのかによって不安定ですし、他のプレイヤーも参戦すること考えると何枚工匠入れるのかも研究の余地ありですね。

 

 

 

さて、ここまでは相性のいいカードを挙げていきました。これでこの記事を締めてもいいのですが、お題をもらって工匠というカードについて考察していく過程で一つ気がついたことがあります。

それは「手札を任意の枚数捨てる。捨てたカード1枚につき1金のコストを持つカードを獲得」という効果について。

これって物置の「手札から任意の枚数を捨て札にする。捨てたカード1枚につき+1コイン、+1購入」という後半部分の効果と似ていません?

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例えば、”工匠使用し手札から3枚捨てて銀貨獲得、購入フェイズで残りの手札からカードXを購入”と、”物置使用して3枚捨てて+3コイン、購入時にカードXと銀貨購入”はそのターン獲得したカード内容は同じものです。

 

ということは、物置の後半部分の効果と相性のいいカード・戦術は工匠とも相性が良いわけで。

物置の後半部分を生かすコンボといえば、いわゆる「念視の物置」が挙げられます。①圧縮をかけて②アクションカード・念視の泉を多数獲得。③念視の泉で引き切った後に④物置で念視の泉以外のアクションカードを捨てて大量の仮想コインを出力し、⑤手札に残った念視の泉で再度引き切り以下④に戻り、最終的に大量コイン・それに見合う購入で勝利点を買い占めるワンターンキルのコンボですね。

工匠でもこれができます。すなわち、上記④部分でアクションカードを8枚(植民地場なら11枚)捨てて属州獲得、再度引き切って・・・とすれば。

ただし、注意点として、獲得した勝利点カードは必ずデッキトップに乗るのでアクションカードを捨てるときに手札に念視の泉とキャントリップの2枚は残しておく必要があります。(上記⑤でキャントリップで勝利点を引き、その後念視の泉で引き切りという手順になります)

 

念視の物置と異なる部分は、村系カードが必要ない事でしょうか。工匠も念視の泉もキャントリップですからね。

 

 

さて、ここまで工匠について書いてきましたが、いかがでしたでしょうか。カード単体の紹介は実は初めての試みでしたが、簡潔に文章をまとめるのは難しいですね。

 

今回は企画に乗っかった形での更新したが、今後も書きたいことがあれば随時更新していければいいなぁと考えています。

Nightカードについての注意点

ドミニオンのことについて筆を取るのはえらく久しぶりな気がします。忙しくて気力も体力も磨耗しきっていて、stefドミ触らない期間が長かったせいだと言い訳させてください。

 

今回触れるのは新拡張、Nocturneから登場したNightカードについてです。

 

 

そもそもNightカードってなに?

 

 

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↑の画像のように「夜」を意識して黒っぽい色合いのカードで、カードの属性はそのまま「夜」または「Night」と記載されます。

購入フェイズ終了後に新たなフェイズである「Nightフェイズ」で手札にあるNightカードを好きな枚数だけプレイできます。

 

 

注意点その1  (一枚を除き)アクションカードではないこと

 

まあ、今回書きたいはすでに上記のNightカードの説明で触れてはいるのですが。より具体的に書いていきます。

 

まず1つ目として、Nightカードはアクションカードではないことが注意点として挙げられます。(一枚だけ、人狼はカード属性にアクションも併記されています)

カードの効果としては既存のアクションカードに近い効果を持つものもあるのでややこしくはあるのですが。

 

さて、アクションカードではないからなんなのさというと下記のようなプレイ中の注意点が挙げられます。

 

・鉄工所で獲得時の+1アクションのボーナスがない

・金物商の効果で山札から公開しても+1アクションのボーナスがない

・市街の効果で手札公開したときに、手札にあってもドローできない

・念視の泉で山札から公開した場合、そこでドローが止まる

カササギの効果で山札から公開してもカササギは増殖しない

・家臣の効果で山札からめくれても使用できない

 

などなど…

 

要は「アクションカードであった場合」系の効果は全て得られないということですね。

 

 

注意点その2  使用タイミングは購入フェイズ終了後であること

 

Nightカードは購入フェイズ終了後のNightフェイズで使用することは先に述べた通りです。

では、そのことが与える影響とは?この項では解説を加えながら挙げていきます。

 

・策士を打ったターンには使えない

 

 

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策士の使用時効果は「手札を全て捨て札にする、そうした場合次のターン開始時に+5カード、+1アクション、+1購入」です。つまり、アクションフェイズ→購入フェイズ→Nightフェイズの順でゲームは進行するため、打ちたいNightカードがあっても策士を打ったターンはアクションフェイズですので、手札のNightカードは捨て札となり使えません。

 

ちなみに、筆者はstefドミで夜襲を複数枚絡めた策士ループ組もうとして悲惨なことになった過去があります。

 

 

・相手の呪いの森が持続中は要注意

 

 

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呪いの森のアタック効果は、「カードを購入したとき、手札全てを任意の順番で山札の上に乗せる」です。前述の通り、購入フェイズ終了後にNightフェイズがくるため、カードを購入した瞬間はまだNightカードは手札にあります。そのため、カードを購入したターンはNightカードが山札の上に移動するため打つことができません。どうしてもそのターンにNightカードを使いたければ、何も購入しないか、イベントの購入のみに留めましょう。

 

 

・焚火で廃棄できない

 

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イベントである焚火の効果は「このイベントを購入時、場に出ているカードを2枚まで廃棄できる」です。

これまで繰り返し述べてきた通り、Nightカードの使用タイミングは購入フェイズ終了後。つまり焚火を購入するときには場に出ていないので破棄できません。

不要になったNightカードは焚火では廃棄できないということですね。

 

以上に注意して新要素であるNightフェイズを堪能しましょう!

 

2018.5.13 県名人戦 その3

準決勝でヨレヨレになりながらもなんとか決勝へ。決勝の相手は昨年から県大会に出場し始めた元奨励会3段のK氏。全国大会いけば元奨の人達と当たること考えれば、こんな地方の県でその練習ができるというのはありがたい一方、倒さないと全国大会には出れないと考えると一長一短ではあります。

ただ、定期的に格上のレベルの将棋に触れあえる機会があるメリットも踏まえると、個人的には大きなプラスだとは思っていますが。

 

 

勝戦

 

決勝はお相手K氏のツノ銀中飛車居飛車穴熊で対抗。準々決勝・準決勝ともに対抗形の将棋で居飛車穴熊で勝ってきたのでゲン担ぎ。

 

下図は5五の地点で歩交換したところ。

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敵陣の形を乱すチャンスと思い☗6五歩としましたが、どうだったか。以下、☖5一飛☗6四歩☖同銀☗8六角の展開を読んでいましたが、K氏はばっさり☖5七飛成。

飛車桂と金銀の交換で、二枚換え未満かつ玉側の桂が消えるので、軽視していましたが、前述の進行に不満なら確かにこれしかないところで、もうちょっと考えてからやるべきところでしたね。

☗同金☖6五桂で考える。

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普通は☗6六(6八)角として、☖5七桂成☗同角の下図の進行が想定されます。

 

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ここで気にしたのは☖5六金。角を7九か3九に逃げて☖5七歩で大駒が使えない展開は自信なし。というわけで、渋々☖6五桂の局面で☗6七金寄としたのですが、これではなんのために☗6五歩としたのか謎ですよね。

ちなみに、局後に準決勝で対局したS氏に「☖5六金なら☗6八角として9五や8六への転換を見れば先手良しでは?」と指摘されたのですが、確かにその通り。☖5六金☗6八角に☖6七銀が厳しいと即切り捨てたのですが、よく考えれば☗9五角が切り札になりそうで後手としてもやりずらいですよね。

感想戦でK氏の予定では、上の図から☖4五歩とのこと。それであれば☗5六歩と敵の打ちたいところへ打ての格言通りで難しい戦いが続いたような気がします。

 

本譜は☗6七金寄☖7七桂成☗同金寄に☖4五歩とされ、苦戦を意識しつつ進行。

 

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しばらく進んで上の図に。

直前の☗8六香は手応えある香打ちでしたが、じっと☖9四歩とされてここで何も無いんですね。次に☗7三桂打の狙いで☗8五桂としましたが、じっと☖5二銀左とされて観念しました。後手陣の金銀の連結の良さたるや・・・

一歩でもあれば話は違うんですが、あいにくの歩切れ。

 

このあとは丁寧に指されて全く勝負所がこないまま終局。

 

 

勢い込んで☗6五歩と喧嘩吹っ掛けたのはいいですが、誤算があったとはいえその後の指し手は消極的過ぎましたね。☖6五桂に角を逃げなかったのは、相手のネームバリューにびびってしまってその後の進行に自信を持てなかったのも一因のような気がしています。

 

代表取れなかったのも残念ですが、将棋になっていなかったのも輪をかけて残念。せめて次当たるときはもうちょっと好勝負を演じたいものです。